M.2 PCIe変換でNVMe SSDからWindows7を起動【AIF-06レビュー】

M.2スロットが無い古いパソコン(マザーボード)でも、M.2 NVMe SSDからPCI Expressに変換するAinex製ボード「AIF-06」を使用してOS起動できました。

そしてM.2→PCIeに変換しても速度低下は皆無であり、そのベンチマークも紹介します。

M.2スロットが無いMBに、PCI Express接続(NVMe)のSSDをインストールしたくても

  • ブートが可能か
  • 速度低下は発生しないか
  • アクセスランプはどうか

という心配のために二の足を踏んでいる方は、是非最後までお読みくださいませ。

使用マザーボード

マザーボードは「AMD 970」チップセット搭載の、Asrock製970 Extreme3です。
BIOS(UEFI)こそ2013年に公開された最新バージョン1.80にアップデートしてありますが、「AMD 9」シリーズチップセットは2011年5月31日発表の古いチップセットです。

そのような古いチップセットでも、M.2 PCIe変換ボードを使えばNVMeとして認識され、起動ディスクとしてOSブートができました。
なので、多分BIOSがUEFIなら、どのマザーボードでも大丈夫なのではないでしょうか。

AIF-06は M.2 SATA SSDも使用でき、電源不要

こちらがアイネックス製「AIF-06」の箱画像になります。

  • 高速なM.2 NVM Express(NVMe) SSDカードをPCI Expressスロット搭載パソコンで使用できる。
  • SATA接続は電力をPCI Expressスロットから供給し、SATAコネクタに接続したケーブルでデータ通信。
  • 対応M.2カードタイプ:2230 / 2242 / 2260 / 2280
  • フルハイト用ブラケット及びロープロファイルブラケット付属

が主な仕様になります。

注意する点は、PCI-Express x4以上のスロットが必要という事です。
画像から分かるように、明らかにx1のサイズではありません。

選んだ理由はSATA接続ができるから

AIF-06を選んだ理由は、もしPCI-ExpressインターフェイスのM.2 SSDから起動できなくても、SATAインターフェイスのM.2 SSDを購入して、次のように接続すれば間違いなく起動ディスクとして使用できるからです。
(このマザーボードは今回使用した「970 Extreme3」ではありません)
AIF-06をSATAの起動ディスクとして使用
この接続だと、ただ単に普通の2.5インチのSATA SSDを接続しているのと全く同じなので、起動できないわけがありません。
このような構成で何のメリットがあるかというと、PCIeスロットから電源供給がなされるので、通常の2.5インチSSDと違いSATA電源ケーブルの接続をしなくても良いところです。

ですのでプラグイン電源のケーブルを全て外す事ができ、ケース内をすっきりとさせる事ができます。

当方がM.2 SSDを購入する目的は、スピードよりもケーブルレスを目指しています。
メモリは32~64GB搭載して大部分をRAMディスクとして構築し、そのラムディスクをテンポラリーや作業領域として使用しているので、スピードに関しては何も不自由していませんので。

PCI ExpressインターフェイスのM.2 SSDをAIF-06に設置

当方が所持するPCI ExpressインターフェイスのM.2 SSDは、Plextor製「PX-512M8PeG」です。

この製品にはヒートシンクが付いているのですが、さらなる冷却を目指して独自にヒートシンクを付けました。
詳しくは
M.2 SSDの冷却ヒートシンク取り付け方法を図解しレビュー!ファン無しで十分冷える
をご覧ください。

PX-512M8PeGをAIF-01のスロットに差し込むと

PX-512M8PeGのヒートシンクがAIF-01のコンデンサに干渉してしまい、斜めに差し込んだ状態が精一杯で、とてもネジ留めはできません。
これ以上無理に押し込もうとすると、間違いなく接合部のどちらか、もしくは両方が破損します。
なので暫定処置として、図のように布テープで留めました。

拡大図はこちらになります。

赤いラインがヒートシンクのラインです。
丸を付けたコンデンサと見事に干渉しています。

ただし、AIF-06はM.2 SSDの規格サイズにのっとって製作されているので、そのサイズからはみ出したヒートシンクを付けているPX-512M8PeG側の問題です。

UEFIでブートドライブとして認識され、AIF-06から起動

布テープで固定した状態でPCI Express x4スロット(形状はx16)に差し込み、電源をオン。

BIOS(UEFI)に入ってみると、無事にブートディスクとして認識されていました。


PCIeスロットにインストールしたので、当たり前ですがSATAポートやeSATAポートは「Not Detected」状態です。

このPX-512M8PeGは別のマザーボードでWindows7をインストール済みの物でしたので、その後はWindowsが起動したのでした。

M.2 NVMe SSDにWindows7をインストールするには、インストール時にドライバを読み込み認識させる必要があります。
詳しい方法は
M.2 NVMe SSDにWindows7をインストールする方法【図解】
をご覧くださいませ。

アクセスランプはボード上のみ

ATAボードやSATAボードそしてRAIDボードには、アクセスLED用の端子があるものも多く、PCケースのHDD LEDを接続すればアクセス状態を確認する事ができます。

このAIF-01には、そのようなLED用の端子は見当たらず、アクセスがあった場合はボード上の「LED1」と印字された部分のLEDが光るようになっています。

ディスクアクセス時はこのアクセスランプが青く光り、格好いいです。

しかし、やはりアクセスランプが見えないと不便だなと、非常に残念な気持ちになったのですが、当方のケースは「JONSBO U4」なので、左サイドはガラス張りです。
ですのでケース左側面を見ればこのLEDの光がよく見えるので、問題ありません。

PX-128M8PeGNでAIF-06のベンチマークを測定

このようにAIF-06は、当方が欲する事を何の問題もなくできる事が分かりましたので、ヒートシンク無しのM.2 NVMe SSD「PX-128M8PeGN」を購入して運用する事に決定しました。

PX-128M8PeGNが手元に届いたので自作のヒートシンクを付け、そしてベンチマークを測定してみる事に。
ベンチマークといっても、PX-128M8PeGN自体のベンチではなく、AIF-06のベンチの事です。

どういう事かというと、M.2ネイティブで接続した時と、AIF-06に取り付けてPCI Expressスロットに接続した時とで、どれだけ速度差があるかを測るという事です。

一見、M.2からPCIeへ変換する事によってオーバーヘッドが生じ、速度が低下しそうなものですが、果たして結果はどうなるのでしょうか。

M.2接続時のベンチマーク

使用したマザーボードは、Asrockの「AB350M Pro4」です。
M.2スロットは、PCIe Gen3 x4で接続されているので十分な帯域があり、これがボトルネックになる事はありません。

PX-128M8PeGNの全領域にNTFSパーティションを作成し、Trimを実効してからCrystalDiskMarkでベンチを測定しました。

当方の環境だと、PLEXTOR公証値の、リード:1600、ライト500 よりはかなり落ちる結果となりました。
なにはともあれ、これがM.2スロット接続でのベンチマークとなります。

PCIe接続時のベンチマーク

次はPX-128M8PeGNをAIF-06に取り付けてPCI-Expressスロットに接続しました。

こちらもPCIe Gen3 x4なので、ボトルネックになる事はありません。

再度Trimを実効した後にスピードを測定する事に。

ご覧のとおり、M.2接続時とほとんど同じです。
誤差程度の違いしかありません。

このベンチマークから推測できる事は、どちらの接続でも結局PCI Expressインターフェイスでの接続なので、オーバーヘッドは生じないという事なのでしょう。

SATAインターフェイスのHDDやSSDをeSATAで接続しても速度低下が起きないみたいなものだと思われます。

ちなみに前述のグラフィックボードの上のM.2スロットに取り付けた場合は、この取り付け方法に比べてPX-128M8PeGNの温度がSMART読みで5℃も高かったです。
グラボの熱で温められた空気が上昇して、もろにPX-128M8PeGNに直撃した結果でしょう。
M.2スロットはグラボの下にある物が理想だと感じました。

ケーブルレスPCに近づいた

このAIF-06を使えば、UEFI搭載のマザーボードなら、メーカーサイトに明記されていなくてもかなりの確立でPCI ExpressタイプのM.2 SSDを起動ドライブとして使用できるのではないでしょうか。
もし起動ディスクとして認識されなくても、SATAタイプのSSDにすれば間違いなく起動できますので。

FDDはおろか内蔵の光学ドライブまでもが淘汰されつつある昨今、残るSSDもM.2タイプにすれば、わずらわしいケーブルから完全開放される事になります。

  • OS起動可能
  • 側面がガラスタイプのケースを使えば、アクセスランプ問題も解決
  • PCIeスロットに取り付けても、速度低下無し

と、不安に思っていた事は全て解消できました。

M.2 SSDという、ケーブルレスに近づける素晴らしい規格がより発展する事を期待します。

10 Responses to “M.2 PCIe変換でNVMe SSDからWindows7を起動【AIF-06レビュー】”

  1. 匿名 より:

    M.2のSSDが古いMBで起動できたのは事実だと思いますがそれはUEFIだからとかAIF-06だからではなくPlextorのSSDだからではないでしょうか。
    この製品には珍しくLegacy OpROM (レガシーオプション ROM)と UEFI x64 OpROMの両方を搭載されているのでBootデバイスとして認識します。当方でも使用していますが未対応のMB格安のM.2変換ボードを介してでも起動可能です。
    一方サムソンのSSDは当然起動できません。
    ちなみにUEFI対応MBでなくても起動デバイスとなるはずです。

  2. 匿名 より:

    dellのwindows 10でvostro3268です。
    これにIO拡張ポートにELUTENGの変換ボードにSPのPCLe Gen3✖4 M.2 2280 SSDを1枚さしました。dellが認識しません 記事を読んでドライバーがないか、BIOSの設定かと考えています。よろしくお願いします。

    • web管理者 より:

      dellが認識しません
      多分Win10上で認識していない事をおっしゃっているのだと思われますが、Windowsでの認識の前にまずはBIOSで認識していないと話になりませんので、次の方法で何とかBIOS上で認識させてください。

      1. NVMe M.2 SSDを、ELUTENGの変換ボードに挿しなおす。
      2. ELUTENGの変換ボードを、PCIeスロットに挿しなおす。
      3. Vostro 3268はPCIeスロットが2個あるので、ELUTENGの変換ボードがx1形状の場合は両方に挿すのを試す。
      4. BIOSのデフォルトをロードしてみる。

      認識しない場合は、NVMe M.2 SSDかELUTENGの変換ボードに不具合があるか、Vostro 3268との相性問題かもしれませんので、別PCにて試すのが有効な解決策です。

      Win10はNVMeのドライバを持っていますので、ドライバに関しては気にする必要はありません。

      もしかしたらWin10上で認識されているけど、ディスクの管理でパーティションを作成していないためエクスプローラ上に表示されていないだけかもしれませんが、その点は大丈夫でしょうか。

      よろしくお願いします。

    • 匿名 より:

      私もDELLの3268ですが、DELLのサポートに問い合わせたところMBが対応してないとの返事でした。納得いきませんがしかたないです。
      起動できましたら、ぜひメールください

  3. 匿名 より:

    clover efi で解決すると思います

    • web管理者 より:

      質問者様はもう見ていないでしょうが、当方の代わりに解決策を提示していただき同じ悩みの方のためになると思います。
      ありがとうございます。

  4. 匿名 より:

    古いマザーボード(PCIE2)ではNMVEのSSDがインストールできないのはBIOS上に該当モジュールがないためです。
    私のMB(P8H61-M-LE)のfarewareにNvmExpressDxe_2.ffs(ダウンロード時の拡張子はrar)をUEFITOOLで追加して、物理はPCIEx16のところにアダプタを入れて、BIOS上でデバイスを認識させ、該当デバイスにOSをインストールしています。古いマザーボードですが、高速で動いています。それで、中古のCOREi7にも変更しています。
    BIOSモジュールを編集する際、検索が上手にできないことがあるので、ご自身の目で探し、確認してから、組み込んでください。ご興味があれば、トライしてみてください。

    • ASUSマザー より:

      P8H77-VのマザーボードBIOS P8H77-V-ASUS-1905.CAP にNvmExpressDxe_2.ffsを追加して書き換えに成功したのですがBIOS
      書き換え時にASUS BIOS Security verificaton failed セキュリティで書き換えられてBIOSは読み込めないようになっています

      P8H61-M-LEでは大丈夫でしたでしょうか?

  5. ASUSマザー より:

    2020年04月26日 09:16投稿の匿名さんに質問ですが
    P8H77-VのマザーボードBIOS P8H77-V-ASUS-1905.CAP にNvmExpressDxe_2.ffsを追加して書き換えに成功したのですがBIOS
    書き換え時にASUS BIOS Security verificaton failed セキュリティで書き換えられてBIOSは読み込めないようになっています

    P8H61-M-LEでは大丈夫でしたでしょうか?

  6. ASUSマザー より:

    ASUS製マザーは改造BIOSは受け付けないのでROM焼きしないと
    ダメみたいですね

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