PC電源ユニットの選び方!おすすめは消費電力を計算【電気代激減】

「日本製コンデンサで、かつ耐熱105℃のものが良い」
「余裕を持って電源容量は600W以上がいい」
PC電源ユニットのおすすめは何かという質問に対し、よくこのようなアドバイスがなされると思います。

確かにそういった選び方も大事ですが、安く購入でき、かつ電気代も節約できるという視点から、電源容量が低いものをチョイスするという方法もあります。

私はその手法により、4000円で購入したPC電源ユニットで年間電気代を1000円節約できるようになったので、画像・データを交えて紹介いたします。

PC電源は低負荷で使用すると効率が悪く電気代もかかる

少なくとも2000年代に入った頃には各種DOS/V系雑誌で
「大容量電源ユニットを使って低い負荷率で稼動した場合は電源変換効率が悪く、電気代が高くなる。」
という情報が記載されるようになりました。

とはいえ実験による根拠は掲載されていませんでした。
そして当時は消費電力を計測するワットチェッカーのような物は無かったか、もしくは高額だったかで、自分で計測する事は現実的ではなかった記憶があります。

しかし現在では「80 PLUS(エイティープラス)」という規格により、電源の変換効率が制定されています。
変換効率とは、AC電源をDC電源に変換する際の効率の事です。

80PLUS
のランク
変換効率
負荷率10% 負荷率20% 負荷率50% 負荷率100%
80PLUS
スタンダード
80% 80% 80%
80PLUS
ブロンズ
82% 85% 82%
80PLUS
シルバー
85% 88% 85%
80PLUS
ゴールド
87% 90% 87%
80PLUS
プラチナ
90% 92% 89%
80PLUS
チタン
90% 92% 94% 90%

80PLUSのどのランクでも、「電源容量の50%くらいの消費電力」の負荷率が一番変換効率が良くエコである事が、この表から明らかです。
ランクが高い方が変換効率が良いですが値段も張りますので、ブロンズくらいを選ぶのがオススメです。

ここでいう「負荷率」とは、電源ユニット容量に対する実際のPCの消費電力です。
200W消費するPCを500Wの電源で稼動させた場合は、負荷率40%ということです。

80PLUSのランクが高いほどエコになる理由を、変換効率という数字を元に説明致します。

ブロンズクラスの500W電源で稼動しているPCの消費電力を計測した結果、100Wだったとします。
そのPCをチタンクラスの500W電源に変更すると、消費電力は約89Wまで激減します。

計算式は
100W * 0.82 / 0.92 = 89.1W
です。

ブロンズクラス500W電源で消費電力100Wということは、負荷率20%で変換効率82%という事になり、実際にPCが消費している電力は82Wです。

それをチタンクラス500W電源に変えるわけですが、チタンクラスの負荷率20%時の変換効率は92%ですので、82Wを0.92で割ると、約89Wとなるのです。

実際は89 / 500で負荷率18%くらいになるのですが、20%も18%も同じ程度の変換効率と考えて計算しています。

このような観点から、80PLUSランクが高くかつ負荷率50%くらいを目指すのが、電源ユニットの選び方の一つの指標になります。

PCの構成

当方のPCの構成は次のようになります。

CPU Ryzen 5 1600X
TDP95W
マザーボード AB350M Pro4
メモリ DDR4-2400 16GB * 4
48GBのラムディスクを作成し、PT2での録画領域及びエンコード領域としている
SSD M.2
dGPU PowerColor AXR5 230
Radeon R5 230搭載
ゲームしないので何でも良かった
ファンレスで静かだし、DVIからだと2560 * 1440の出力も可能
ファン 12cmファン5個
(CPUファン含む)
拡張スロット
  • PT2
  • PCI PCIe変換基盤(FDD用電源が必要)

仕事用 兼 録画・エンコードマシンなので、シンプルな構成で24時間つけっ放しです。

古い電源と新規購入した電源

これまで使用してきた古い電源、新しい電源、消費電力測定装置は以下になります。

古い電源「KRPW-V500W」

2008年春に購入した、玄人志向の500W電源ユニット「KRPW-V500W」を10年間ずっと使ってきました。

2008年発売の電源ユニットで80PLUSではないのですが、メーカー公称値では負荷率50%の時に78%以上の効率で、当時としては中々の性能だったと思います。

1日の使用時間を約8時間とすると、3万時間近くもトラブル無く稼動してくれた事になり感謝です。

新しい電源「KRPW-PB300W/85+」

そして2018年新春に4000円で購入した新しい電源は、同じく玄人志向の300W電源「KRPW-PB300W/85+」です。

なぜ300Wなどという低容量を選んだかというと、後で述べますがこの容量で十分だったからです。

ワットモニター「TAP-TST8」

測定に使用したのはサンワサプライの「TAP-TST8」です。

  • 消費電力が5W未満の時でも表示される。しかも小数点1桁まで。
  • 測定周期が1秒間隔と、細かくチェックできる

という2点が優れています。

このような条件・環境で、新旧電源での消費電力の差を測定する事にしました。

電源オフ時の消費電力比較

まずは電源オフ状態の消費電力から。

古い電源(KRPW-V500W)では、2.3Wです。

新しい電源(KRPW-PB300W/85+)では、2.1W。

電源オフ時で9%もの差が出ていますが、0.2W程度という絶対値の低さゆえに、全く気にはなりません。

アイドル時の消費電力比較

PCを立ち上げ、アンチウイルスとWindowsUpdateサービスは無効にし、十分に落ち着いた時の消費電力を測定しました。

古い電源(KRPW-V500W)では、48.4W。

新しい電源(KRPW-PB300W/85+)では、45.3W。

古い電源比で6.4%も消費電力が少なくなりました。
絶対値でも3W以上の差があり、段々と無視できなくなってきました。

フルパワー時の消費電力比較

次に、Prime95でCPUとメモリに高負荷をかけた結果を測定しました。

古い電源(KRPW-V500W)では、191W。

新しい電源(KRPW-PB300W/85+)では、180W。

古い電源比で5.8%消費電力が少なくなりました。
そして絶対値でも11Wとなり、大きく差が開いたのでした。

このようにマックスでも180W程度しか消費しません。
そして、このマシンでエンコードしている時でもCPUが100%に張り付く事はありません。
半分くらいしか使っていないので、消費電力はせいぜい140Wくらいです。

今回300Wという低容量の電源ユニットを購入した理由はこれです。

アイドルで約50W、エンコード時に約140W、フルパワーで約180Wですので、変換効率が良い50%付近で稼動させるには、そのくらいの低い電源容量である必要があります。
むしろもっと低い250W電源があれば良いのですが、さすがに80PLUS取得電源でそのような低容量は販売されていませんので。

スタンバイ時の消費電力比較

一応スタンバイ(スリープ)時の消費電力も計測しました。

古い電源(KRPW-V500W)では、3.8W。

新しい電源(KRPW-PB300W/85+)では、3.6W。

その差の割合はかなりのものですが、電源オフ時と同じで絶対値が低いのであまり気になりません。

1ヶ月で90円、年間1000円以上の節約に

これらの実験で、消費電力は

  • アイドル時で3.1W
  • フルパワー時で11W

少なくなることが分かりました。

平均で4W程度少なくなったと考えると、1日24時間で約100Wh、1ヶ月で3kWhの消費電力量を節約できることになります。

東京電力の一般的な電気料金プラン「従量電灯B」では、2018年1月現在次のような従量制料金となっています。

使用量の範囲 1kWhあたりの料金[¥]
最初の120kWhまで
(第1段階料金)
19.52
120kWhをこえ300kWhまで
(第2段階料金)
26.00
上記超過
(第3段階料金)
30.02

私を含め、多くの家庭が第3段階料金の範囲まで到達してしまうと思います。
なので、1ヶ月で3kWh節約できるということは、1ヶ月で約90円電気代の節約となり、年間にすると1000円以上安くすることができるようになりました。

古い電源に不具合が出るまで使用し続けるよりも、4000円の投資を行って正解といえます。
4年で4000円が回収できますので。

80PLUSと負荷率のダブル効果で省電力となった

今回の実験で

  • アイドル時に6.4%省電力
  • フルパワー時に5.8%省電力

という結果が得られました。

この要因としては

  • 80PLUS取得電源と、そうではない昔の電源ゆえに、変換効率に差があった。
  • 古い方の電源は10年近く使い劣化していたので、新品時より変換効率が悪化していた。

の2点があると思います。

そしてフルパワー時よりもアイドル時の方が消費電力差の割合が大きい理由としては、古い電源(500W)でのアイドル時(48W)は負荷率10%未満という低負荷なので、変換効率が相当悪い領域だったということが考えられます。

新しい電源は300Wなので、アイドル時の消費電力45Wでも負荷率15%とそこそこあるので、変換効率はそこまでは悪化しないのでしょう。
そしてエンコード時140Wなら負荷率47%、フルパワー180W時なら負荷率60%と、50%前後の非常に良いバランスの領域を使用していることになります。

PC電源の選び方のひとつとして、このような計算をして電気代が安くなったとニヤけるのも良いかもしれませんね。

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