PCIe PCI 変換ライザーカードを増設しPT2を使う【DIR-EB262-C13】

「マザーボードからPCIスロットが無くなってからPT3を買えばよい」
「それまではPT2で何も問題ない」

しかし昨年2016年のPT3生産終了、そしてその後の市場に流通するPT3の激減によりその考えは砕かれました。

この度Ryzen環境へと移行した私の前にあるのは、PCIスロットが無くPCI ExpressスロットのみのMBです。

その環境において、PCIeからPCIへの変換ライザーカードを増設し、無事にPT2を認識しましたので、変換ボードの増設方法を図解します。

DIRAC製「DIR-EB262-C13」を購入

PCIe PCI変換ライザーカードにも色々な種類がありますが、ディラックの「DIR-EB262」シリーズが

  • メーカーが、PT2での動作を確認済みという事で安心
  • PCIスロット2本に変換できる
  • ロープロファイルPCIボードだけでなく、フルハイトにも対応

という事でポイントが高く、購入することにしました。

DIR-EB262シリーズは「PCI-Express」を「32bitのPCIスロット」へ変換するライザーカードです。
64bitのPCIボードを挿す事はもちろん可能ですが、その場合は動作については不明です。

DIR-EB262シリーズには、ケーブルの長さ違いで次の3種類があります。

型番 ケーブル長
DIR-EB262-C13 130mm
DIR-EB262-C9 93mm
DIR-EB262-C7 73mm

ケーブルの長さは長い方が取り回しの自由度が高くてよいので、130mmの「DIR-EB262-C13」をチョイスしました。

もしケーブル長が不足した場合は、次のような延長ケーブルを追加購入しなければなりませんし。

購入して届いた実物のケーブル長さを測ると、当たり前ですが130mmです。
基盤には「GH-EB262 Rev.A1」とプリントされています。

そしてFDD用の4ピンコネクタ電源が必要なのが、ご確認いただけると思います。

上記画像でご確認いただけるように基盤には「GH-EB262」とプリントされているのですが、届いた商品はDIRACのシールが貼られた正真正銘「DIR-EB262-C13」です。

ですので、ディラックが製造しているわけではなく、OEMなのでしょう。

増設イメージ

当方は、Asrock製MicroATXマザーボード「AB350M Pro4」を、Fractal Design製のATX対応ケース「Define C Black Window」にて使用しています。
ですのでMBの下の部分にDIR-EB262-C13を設置するスペースが生まれるのです。

使っていないマザーボードを利用して設置イメージの写真を撮ったのが下図となります。
ATXケースにMicroATXマザーボードを設置した場合ならではの増設方法ですね。

ちなみに

  • ATXケースにATXマザーボードを取り付けた場合
  • MicroATXケースにMicroATXマザーを取り付けた場合

といったように、MBの下にスペースが無い場合は
http://henjinkutsu.com/text/pc/gh-eb262-c13/
で紹介されているように、PT2をI/Oブラケットから外し、向きを逆に取り付ける手法が効果的ですので、まずはそちらのサイトをご覧になるのが良いかと思われます。

実際にMBにインストールし起動

イメージは掴めましたので、実際にMicroATXマザーに設置してみることに。
DIR-EB262-C13にPT2を挿した状態でPCIeスロットに挿してもいいのですが、まずは手堅くDIR-EB262-C13だけを挿して認識させることにしました。

DIR-EB262-C13裏側の金属端子とケースが接触してショートする可能性も考えられるので、念のために絶縁のための紙を敷き、ケーブルをPCI Expressスロットへと挿します。

本当は「グラフィックボードの上のPCIe x1 スロット」へ挿したいのですが、ケーブル長が足りないので、空いているx16スロットへと挿したのがご確認いただけると思います。

そしてフロッピーディスク用の電源を挿し、電源をオン。

Windows7 64bit SP1が立ち上がり、Plug and Playで無事にDIR-EB262-C13が認識されました。

デバイスマネージャーのシステムデバイス項目を見てみると
「PCI 標準 PCI Express to PCI/PCI-X ブリッジ」
という、いかにもPCI-ExpressとPCIをブリッジさせるオブジェクトというネーミングの項目が現れました。
PCI 標準 PCI Express to PCI/PCI-X ブリッジ

このようにWindows7 SP1だと普通にPnPで認識されるので、Win7以降のOSを使用しているのに認識しない場合は、使用しているWindowsに不具合があるのではないでしょうか。

もしくはFDD電源の挿入を忘れているというケアレスミスかもしれません。
DIR-EB262-C13が認識しない人は、今一度チェックされるとよいでしょう。

PT2を挿して無事認識

これでDIR-EB262-C13自体に問題は無いということが確認できましたので、PT2を挿します。

Define C Black Windowに付属のスペーサーは、高さが約6mmちょいと短めですが、それでもDIR-EB262-C13とケースは接触していません。

もう少し長いスペーサーのマザーボードなら、さらにDIR-EB262-C13とケースの間隔が広がることでしょう。

そして何よりDIR-EB262-C13の裏面を見ると、金属端子群よりも、合計4個の樹脂の部分が高い事が確認できます。

赤い□の金属端子群よりも、黄色い○の樹脂の方が、約1.3mm程高いのです。
なのでケースに金属端子群が接触する事は、考えられません。

とはいえ何があるか分からないので、念のために絶縁材質を間に敷いておくに越したことはないでしょう。

PT2を挿した状態でWindowsを起動すると

PT2使いにはお馴染みの「マルチメディア コントローラー」が現れます。

後は
PT2とTVtestをWindows7 64bitへインストールする方法を完全図解
の通りに、PT2のドライバを当てます。

PT2が認識され、使用する事ができるようになります。

PT2を反対向きにして取り付ける

2017年6月8日追記

前述のPT2を反対に取り付ける方法を紹介したサイト
http://henjinkutsu.com/text/pc/gh-eb262-c13/
を参考に、PT2を逆さま向きにして設置してみました。

この方法のメリットとしては、PCIe x1スロットにケーブルが届くので、x16スロットを空きにする事が可能なところです。
x16スロットに何か挿す場合には重宝する手法だと思います。

さらにこの方法だと、PT2とケースの間に十分な空間が生まれるので、ショート等を心配せずにすみます。

黄色矢印で示したように、十分な空間ができます。

ただし、PT2への同軸ケーブルへの挿入が反対になる事に気をつけなければなりません。
PT2のブラケットは右から、S1, T1, S1, T2 という刻印がなされているのですが、その刻印に従って同軸ケーブルを挿入した場合は「S入力にTケーブルが、T入力にSケーブルが刺さった状態」となり、正常に映りませんので。

うっかりミスしてしまう可能性大なので注意しましょう。
なぜこのような喚起をするかというと、他ならぬ私がやってしまったからです。

PT3生産中止でPT4は出るか?

「欲しい物は、ポチった翌日には自宅に届く」
という昨今、備えあればうれいなしという考えの効力は以前より弱くなったのではないでしょうか。

しかしPTシリーズのような特殊でオンリーワンかつユースフルな製品は、その備えあれば憂いなしの考えが適用される物だったという事です。

冒頭で述べたようにPT3の流通量が激減した今、PT3の価格は高騰しています。
かといって後継機種のPT4の発表は無いし、かなりの人がこの問題に直面しているのではないでしょうか。

また、これからTS抜きを始めたい方も、高価なPT3を購入するのではなく、当記事で紹介したように
「PT2 と PCIeからPCIへの変換ライザーカード」
の組み合わせにするのも一つの手だと思います。
何せ半分の金額で済みますので。

そんな同士のためになればと思い、DIR-EB262-C13を詳細にレビュー致しました。
少しでもお役に立てれば幸いです。

4 Responses to “PCIe PCI 変換ライザーカードを増設しPT2を使う【DIR-EB262-C13】”

  1. カメラ君 より:

    JX-FX300B+AT3N7A-I+PT2という組合せでブッコ抜きマシーン
    をずーっと昔に作成して運用してましたが最近MBが死亡しました。

    超小型を目論んだケース選択の悪影響によりminiITXのMBしか選択肢
    が限られる為、当該条件においてPCIバス付きのMBが皆無という状況
    の中こちらの情報をみました。

    危うくPT2が逝くところが、今度は活かされそうです。
    HP情報を参考にさせて貰いあらたなMBを買いたいと思います。
    どーもー。

    • web管理者 より:

      カメラ君さん、コメントありがとうございます~。

      JX-FX300B +「PCIスロットMiniITXマザー」+ PT2 ということは
      こちらのサイトの
      こちらの画像のようになっているのだと思われます。

      新しい「PCIeスロットMiniITXマザー」を買った場合、↑の画像の黄色いPCIスロットがPCIeスロットになるわけですが、DIR-EB262-C13のケーブルを刺す事ができるかな?干渉するのでは?と心配しております^^。
      念のためご確認をお願いします。

      随分昔に組んだマシンで運用されてたのですね。

      やりたい事ができるうえで、可能な限り小さいマシンを作るのって楽しいですよね。
      私はゲームをやらないので巨大なグラフィックボードを設置する事は無いので、ケースはATXマザーが入る中で最小と思われる「JONSBO U4」を使用しています。

  2. カメラ君 より:

    >干渉するのでは?と心配しております
      ご提案ありがとうございます。

    >随分昔に組んだマシンで運用されてたのですね。
     たしかに、時間経過しましたね。
     PT2は自動録画、自動スタンバイまでできる仕掛けにしましたが
     今となっては覚書も無く、どーやってやったのやら。 頭が痛い。

    >可能な限り小さいマシンを作るのって楽しいですよね。
     それを狙い過ぎて少し後悔してます。 ww
     また当該ケース付属電源の信頼度が低く電源の重要性が
     実体験として勉強できました。

    >ATXマザーが入る中で最小と思われる「JONSBO U4」を使用
     参考にさせて貰います。
     電源の紹介もHPにあったと思うので参考にさせて貰いますね。

    • web管理者 より:

      >今となっては覚書も無く、どーやってやったのやら。頭が痛い。
      >それを狙い過ぎて少し後悔してます。ww

      非常に明るくて楽しいご返信をありがとうございますw
      思わず微笑んでしまいました。
      PT2が活かせた暁には、またご連絡いただけたらと思います。

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